参考資料

<DANCE LIFE FESTIVAL 2008>
〜本フェスティバルに至る経緯〜

本フェスティバルに至る経緯

1) 英国のダンス環境を調査。
ナショナルダンスエージェンシーとの出会い。

2004年ブリティッシュカウンシルからの派遣で2回イギリスを訪れました。
2月に開催された4日間の「ブリティッシュダンスエディション」で初めて20カンパニー以上のダンス作品に触れ、多くのダンス関係者と話す機会がありま した。その中で、ナショナルダンスエージェンシーという国と機関としてのダンス専門のオーガニゼーションが存在していること、アーティストを育成すること と並行して、コミュニティーにおけるダンスの活動が驚くほど盛んであることを知りました。日本に帰ってどのくらいその英国のダンス状況について知られてい るかを調べたところ、ほとんど日本では知られていないことに気づきました。そこで9月に再度ブリティッシュカウンシルのサポートで英国を訪れ、様々なダン ス関係者にインタビューする機会を持ちました。

2) 英国よりディレクターを招聘。
見本市でコミュニティダンスを紹介。

2005年9月東京芸術見本市にて、シンポジウム「地域の将来像を夢見る」―英国におけるコミュニティダンスの歴史的背景と現状を参考に、ダンスを通し て地域の将来像を夢想するーを企画・コーディネートし、英国、ザ・プレイス ラーニング・アクセス部 ディレクター、クリストファー・トムソン氏をブリティッシュ・カウンシルの協力を受けて招聘し、英国におけるコミュニティダンスの事例を話していただく。 福岡でもセミナーを行う。

3) 公共ホールダンス活性化事業がスタート。
ダンスと公共の可能性。

2005年地域創造による公共ホールダンス活性化事業がスタートし、佐東がそのコーディネーターを務め、日本各地の公共ホールと協同して、学校へのアウトリーチ、福祉施設でのワークショップなど全国で行う機会が増えてきました。

4) 全国の公共ホール担当者が集まり、
ダンスライフプロジェクトが発動。

2006年地域創造ステージ・ラボのマスターコースにダンスが取り上げられ、「地域において新しいダンスプログラムをどのように定着させていくことが出 来るのか」をテーマに、今回共催に入っている公共ホールの担当者が集まり、半年間に渡って各地で広がっている地域でのダンスの活動をいかに継続していくか を検討した。その結果、英国のコミュニティダンスをモデルに、本フェスティバルの基盤となるダンスライフプロジェクトの提案が創られた。

(ダウンロード資料資料:財団法人地域創造 平成18年度 ステージラボマスターコース報告書/研修企画支援事業報告書)⇒ 資料1ダウンロード(PDF)
5) ブリティッシュカウンシルの協力により、再び英国へ。
このマスターコースから発展して、実際に英国のコミュニティダンスを視察に行きたいという要望に、ブリティッシュカウンシルが協力してくれて、そのサ ポートにより2007年6月1週間の英国視察が実現する。そこで多くのコミュニティダンスを形作ってきた方々と出会う。

(ダウンロード資料資料:ブリティッシュ・カウンシル主催 イギリス・コミュニティダンスの現状視察報告書)⇒ 資料2ダウンロード(PDF)

さらに2008年の東京芸術見本市では「それぞれの地域においてダンスがどのように役に立つのか-イギリスのコミュニティダンスを参考に」と題したセミ ナーをコーディネートし、ミドルセックス大学ResCen所長のクリス・バナーマン氏に研究者としての視点から講演していただく他、英国視察報告を行う。

(ダウンロード資料:TPAM 2008 開催報告書 それぞれの地域においてダンスがどのように役に立つのか-イギリスのコミュニティダンスを参考に)⇒ 資料3ダウンロード(PDF)
6) アメリカ リズ・ラーマン・ダンスエクスチェンジの招聘。
2004年からJCDNコーディネートでアメリカからリズ・ラーマン・ダンスエクスチェンジを招聘し、京都・山口・福岡にて高齢者を対象としたワーク ショップ+作品つくりを行う。各地で大変好評で、その中から10名近い参加者がアメリカに招かれ、リズラーマンのアメリカでの公演に参加するなど、深い関 係性が広がってきている。
7) 究極のコミュニティダンス―インドネシアのケチャ。
2007年「踊りに行くぜ」のアジアツアーの最後にインドネシアのバリ島を訪れた。そこであらためてケチャを見て、子供から老人まで参加し、その村のコ ミュニケーションと経済を支える、ある意味これは究極のコミュニティダンスではないかと思う。ケチャのワークショップをお願いして体験したところ、誰でも が参加できることと、誰もやったことがないので、子供から大人までゼロからスタートできるということで、今回のフェスティバルに入っていただくことにしま した。

このように舞台作品としてのコンテンポラリーダンスと並行して、ダンスの持っている可能性を全国の地域で活かしたいと思い、様々な活動を行ってきました。 そして、いつかもっと全国的に、現代の社会においてもっとダンスの力の重要性をアピールしたいという思いと、他の分野の方々と継続的に実施できる方法=シ ステムを作りたいという思いで、今回のフェスティバルの企画に至りました。   ―JCDN

本フェスティバルの目的
  • 社会とダンスをつなぐ
  • あらゆる世代、あらゆる分野、障害のある人もない人も、あらゆる人々にダンスを届けること
  • 教育・福祉・健康など他業種との継続的な関係性を築くこと
  • ダンスの持っている可能性を目に見える形で具体化すること
  • 学校教育の中でダンスを通した創造教育の可能性について幅広く知ってもらうこと
  • 日本においてコミュニティダンスが、継続的に行えるシステム=仕組みを発明すること
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98年から3年間の準備期間を経て、01年京都にて設立。全国のコンテンポラリーダンスの環境整備と、ダンスの持っている力を社会の中で活かし、子供から高齢者まで日常生活の中でダンスに触れる機会を創ることを目的に活動する。2008年「DANCE LIFE FESTIVAL」を皮切りに、日本におけるコミュニティダンスの普及事業を本格的に開始。学校や地域、福祉分野へのアーティスト派遣コーディネートを全国にて行う。ほかに、「コンテンポラリーダンス新進振付家育成事業」「三陸国際芸術祭」などの事業やコンテンポラリーダンスの統括団体としての活動、講演や執筆など、ダンスと社会をつなぐ様々な活動を行っている。2006 年国際交流基金地球市民賞、2015 年京都市芸術振興賞、2018 年京都はぐくみ憲章はぐくみアクション賞(こちかぜキッズダンス)、2020 年サントリー文化財団地域文化賞(三陸国際芸術祭)、令和4年度文化庁長官表彰。

 

2014年7月15日
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