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アーティスト – コミュニティダンスのすすめ | Comunity Dance Japan on Web | Produced by JCDN https://cdj.jcdn.org JCDNでは、個人個人の創造力が重要であると考え、コンテンポラリーダンスによるコミュニティダンスの活動を推進しています。 Fri, 03 Sep 2021 06:16:36 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=7.0 https://cdj.jcdn.org/wp/wp-content/uploads/2022/04/cropped-favicon-32x32.png アーティスト – コミュニティダンスのすすめ | Comunity Dance Japan on Web | Produced by JCDN https://cdj.jcdn.org 32 32 砂連尾理・北村成美インタビュー 3部【コミュニティダンスのすすめ】パンフレットより https://cdj.jcdn.org/390/ https://cdj.jcdn.org/390/#respond Thu, 15 May 2014 05:31:40 +0000 http://52.194.188.228/wordpress/?p=390 第3部

-いろいろお聞きしましたけど、最後の質問です。
お二人とも、一番初めの入口は、自分の舞台作品を創るというところからダンスの振付家兼ダンサーとして活動をしてこられて、今の活動に至っていますね。今、そういう地域の人やいろんな人と一緒に、WSをしたり作品を創るということは、ご自身のアート活動として、どういう意味がありますか?
砂連尾:僕にとってのダンスとは、異なる身体世界を持っている他者との出会いや、その中での関わりが大きなテーマとしてあります。その手がかりとして、先ずはウェルメードされた身体的テクニックを持っている人とどうコミットできるかという事から、最初は寺田みさこさんとの活動を始めたんですね。今は彼女との活動を休止していて、最近は障がいを持っている方や認知症の人と創作活動を行いましたが、テーマ自体が変わった訳ではありません。なぜなら、その両者は他者という観点からすると僕にとっては同じだからです。それまで組んでいた人が寺田さんだったから、劇場でかっちり創る作品が主だっただけであって、単純に組む人が変わることで、作品形態が変わっているだけです。
 
 そういった意味で、僕自身のスタンスとしては今までやってきたことと、いわゆるコミュニティダンスをやっていることに大きな変化はありません。

僕からしたら、最近組んでいる人がたまたまコミュニティーダンスの文脈にいるだけであって、ただその人達から、それは例えば障がい者の身体や、エルダーの人達の身体から「身体や生き方ってこれだけ多様で、こんなにも豊かなんだ」っていう事が見開かれ、知覚する世界がどんどん広がっていることは確かです。
 
 これからも僕は、自分とは異なる文脈の人と出会い、そんな人たちとの関わりから世界を広げていくことで、生きているこの時間を豊かに過ごしたいなと思っています。そんな豊かに生きる上での手がかりとその実践が僕にとってはダンスかなと思っています。そして、固形化することなく出来るだけいろんな人と関わる中で感じた事をWSや作品にして、それを多くの人に伝え、共有していきたいなと思っています。
 
 僕はダンスと出会えた事で、ダンスを始める前には想像もつかないようなユニークな人達と出会う事ができました。ダンス、もっと大きく言えばアートにはそんな世界を広げていく力や可能性があるのだと思います。だから、その出会いを異ジャンルやコミュニティーという枠だけでなく、そこをもっともっと広げて物理的にも精神的にも一所に留まる事なく、移動し続けることで僕自身の世界を広げていければと思っています。
 
 
北村:砂連尾さんの話を聞いて、これまでの活動形態が違うのでスタイルは違うのですが、やっぱりよく似たことを考えているんだなと思いました。  私自身も変わってないですね。何が変わってないかというと、客席に飛び込んで行く、あのギリギリ感。ギリギリでもう死ぬかも知れん、社会的な立場をなくすかも知れんけど飛び込んでいく、あのスリリングな感じはやっぱりすごく好きだし、そこに自分自身が生きているっていう実感をすごく感じるんです。で、それを感じられた時にしか、私のような普通の身体の人間はダンサーみたいなものにはなれない、発揮できないと感じていて。‘立っているだけで綺麗な人’ではないから、そこを追い詰めていく楽しさというかね。それは私がソロをやっている中で感じてきた、独特の世界観かも知れないですけど。 それをとことん追い求めていった結果、今はソロじゃないんですよ、手段としては。ダンスと出会ったことのない人達に、ダンスを広めてあげようという姿勢では全くなくて、「どこに斬り合い出来る相手がいるかー!」って、ずっと辻斬りしてるみたいな感じ。それで出会った人と、おおーって握手したり、うわーって抱き合ったりしているような感じなんです。本当に共演者を探し求めているんですよ。そうやって出会った人たちは、自分にとってすごく大事なパートナーだと思っているし、ダンスをやったことがない人だからここまででいい、じゃなくて、そんなの関係なしに、「この世界、ごっつおもろいねん。来いや!!」って、一緒に板の上に立って、うぉーって酒飲んで「美味い!」みたいな。

それが結果として今、私自身の作品というものを、創り上げてきているのかなあ?という気がするんです。だからこそ、「めっちゃあなたのことを見てるし、本気で付き合うから、その代わり、私ここまでやりたいねん!」みたいなことを、どれだけ真剣に言えるかなということだと思うんですよ。それは障がいがあろうがなかろうが、年齢、経験、関係なく。それが人によって「えー、いややー」とか、「うわ、こわいー」かもしれないですけど、それでもいいから真剣に向かっていった先の、その怖いやらキモいやら、しんどいとか、全部返ってくるものっていうのが、その人との関わり方の入口になる。みんなが私のことを諸手を広げて受け入れてはくれない。それが前提だから、とにかく真剣に向かっていく。その先に、何か面白いダンス、面白い身体が、創られていくのかなあ。WSが終わっても、やり続けてる人達っていうのは、それがただ止められないんだろうなと。

 だからそういう意味では、先生みたいに何かを教えているわけでもないし、みんな一緒だよと言っているわけでもない。ただ一斉にそっちに向かって一緒に走っている感じ。今や、私にとっては、WSの場自体が作品やなっていう感覚がある。だから、パフォーマンスとWSの境目がない、参加者と観ている人の境目も分からないという、そういう世界の創り方に、すごく今は興味があります。その活路として、集団で大きな作品を創りたいっていう向きに変わってきた。それは、自分自身がソロで活動してきた間に、いろんな人たちとの出会いがずっと積み重ねられてきているからなのかな、という気がします。

END

(2010年夏 聞き手:JCDN 佐東)

 
■プロフィール
砂連尾理 Osamu JAREO (振付家・ダンサー)
大学入学と同時にダンスを始める。91年、寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を展開するほか、障がい者、高齢者、子ども達との作品制作やワークショップを数多く手がける。2008年10月から1年間、文化庁・新進芸術家海外留学制度の研修員としてドイツ・ベルリンに滞在。その間、ベルリンの障がい者カンパニーTheater Thikwaの作品制作に携わる。近年の作品に「にあいこーるのじじょう」、「とつとつダンス」、「saalekashi」等がある。立命館大学、神戸女学院大学非常勤講師

北村成美 Shigemi KITAMURA (振付家・ダンサー)
6才よりバレエを始め、英国ラバンセンターにて学ぶ。「生きる喜びと痛みを謳歌するたくましいダンス」をモットーに、国内外で精力的なソロ活動を展開。2009年、別府のフェスティバル「混浴温泉世界」への参加を機に、「別府レッグウォーマーず」を結成。2010年、「ダンス4オール」出演者と共に「京都フェブラリーズ」を結成。これらご当地ダンスカンパニーの拠点・稽古場として「草津ダンス道場」を開く。

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砂連尾理・北村成美インタビュー 2部【コミュニティダンスのすすめ】パンフレットより https://cdj.jcdn.org/383/ https://cdj.jcdn.org/383/#respond Thu, 15 May 2014 05:18:38 +0000 http://52.194.188.228/wordpress/?p=383 第2部

-次の質問ですが、自分の作品を創る以外の、WSや他の人たちと作品を創るという経験について、お聞かせください。
砂連尾:先ほどの京都の平盛小学校の他にも小学校に限らず中学、高校でも幾つかあります。また滞在型では、福岡ダンスジェネレイトや仙台等、JCDNの仕事でいくつかと、劇場では北九州芸術劇場で北九州に1ヶ月半ほど滞在しながら、関西では伊丹のアイホールで地域の方それぞれと作品制作を行いました。また海外でも、昨年度文化庁の在研(新進芸術家海外留学制度)でベルリンの「Theater Thikwa」という障がい者団体と、合計3、4ヶ月のお付き合いをし、その成果として帰国直前に、日本のNPO法人ダンスボックスとやっていた[循環プロジェクト]のメンバーを数名呼んで、10日間ほどのWSをしながら作品を創った経験もあります。
 
 
障がいを持っている人とのワークについて、[循環プロジェクト]の後に、ベルリンで、ワークをしたときに、何か違いや新しく発見したことがありましたか?
砂連尾:先ず言葉が通じないということが決定的に大きかったですね。言葉が違う中でワークしたときに、本当に体同士での対話が切実に迫られました。ただその状況が却って、同時に言葉がなくてもこれほど通じるんだって事を改めて実感できる機会でもありました。Theater Thikwaのメンバーとのコミュニケーションの困難さがかえって、僕の身体というかダンスへの可能性をすごく感じさせてもらったように思います。日本では知的障がい者の方とWSをしていたので、彼等ともそれほど言葉によるコミュニケーションがなくても大丈夫と思っていたのですが、改めて言語、知的、身体、それぞれ全部異なる状況の中で、どんな対話が可能なのか?それを切実に考えさせられる日々でした。

もしかするとそれまでの僕は、知的に問題があってもなんとなくでも通じる日本語がまだ担保になっていたのかな、という感じがするんですよ。だけど、それがドイツ人とのワークの場合、その担保が全くなくなり、一番信じえるのが自分の体の接触や身振りだったりするなと思いました。そして彼等とのWSやクリエーションが、言葉を超えた対話、その可能性というものを非常に実感できる瞬間でした。
 
北村さんはいかがですか?
北村:WSは小学校が、北は宮城から南は徳之島まで、数えたことがないんですけど、かなり沢山。一番多いのは三重県で、35回以上行っています。三重県文化会館というところがアウトリーチをやっていて、最初は津市だけで始まったのが、県内を回りましょうということになって。もう4~5年目ぐらいになります。小学校以外では三重県の聾学校。他に作品創りでは、「踊りに行くぜ!!」のご当地WSで、宮城えずこホール、佐世保、栗東、静岡へ行きました。など、いろいろですね。
 
 
あと、別府の現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」ですね。 
北村:そうですね。「オープン・ルーム」というタイトルの公演で、市民の方80人ぐらいで創りました。その時に担当した若者チームが、今は「別府レッグウォーマーず」というグループで活動していて、今年から月一で別府で公演する企画を立ち上げました。また、2010年1月に京都で砂連尾さん、山田珠実さんとやった「ダンス4オール」。ほかは、2009年秋にびわ湖ホールの企画で、20人の子供たちとの作品を戦争をテーマにして創りました。 
 
 
-北村さんの活動を見ていて、別府でも京都でも、出演者の中から自主的に、ひとつのダンスチームというか、ダンスのグループができていますよね、それが企画している側としてはすごく面白い展開の仕方だし、理想的だなと思います。今日のWSをアシスタントしてくれたのも、京都「ダンス4オール」から出てきた人たちですよね。
北村:「京都フェブラリーズ」っていう、草野球チームみたいな名前をつけているんですけどね(笑)。1月に公演が終わって2月に再開して「よっしゃやるぜー!」って結成したからフェブラリーズです。今、彼らはもうアシスタントとして実働してくれていて、滋賀県内のWSや、奈良のたんぽぽの家主催のWSにも全部入ってもらっています。また、今年は栃木の宇都宮美術館から去年の「オープン・ルーム」を見て、「うちでもやりたい」という依頼を頂いたのですが、そこでもアシスタントとしてレッグウォーマーずのえびちゃんと、フェブラリーズの津田さんが参戦します。彼らは仕事としてちゃんと呼んでいただけるようになってきています。最初はボランティアだったんですけど、きちんと成果をだしてくれていて、今では無くてはならない存在になってきました。
 
 別府でも2009年の「オープン・ルーム」が終わった後に、トヨタの「子供とアーティストの出会い」という企画で別府市立中央小学校でWSをさせていただいた時も、100人ぐらい生徒がいたので、レッグウォーマーず全員にアシスタントで入ってもらいました。その時の活躍ぶりが認められて、福岡の小学校のWSにも呼んでいただいきました。また、福岡ダンサーズの中で、「オープン・ルーム」を最初から手伝ってくれた人たちが、そのまま出演もしてくれたんですけど、そのメンバーが今、福岡で活躍してくれている。

-そういう意味では各地に‘しげやんチーム’というか、一人一人がすごく気合いが入っていて、「自分たちでやるぞー!」という人たちがこれだけ出て来たというのは、面白いよね(笑)。その輪がだんだん広がってきて、別府のメンバーには千葉の人がいたり、いろんなところから集まってきてる人たちだけど、別府から始まって、それぞれがそれぞれの活動を広げていっているというのは、すごい波及効果ですね、これは。
北村:そうですよね。びっくりしますね。そんなつもりは全然なかったんですけど、味をしめていかはるんでしょうね、きっと(笑)。公演が終わっても、京都のメンバーや、びわこに出た子供らが、みんな稽古したい稽古したい、と言うから、面倒くさいので一気にうちの近所のスタジオに集まってくださいって言って、毎週稽古をやるようになったんですよ。
 
-それはなんていうの?
北村:「草津ダンス道場」です(笑)。 どうせやるなら、ダンス教室じゃ面白くないし、発表の機会をただ待っているだけでは面白くないから、自分たちで仕掛けていこうって言って、この夏はサマースクールをやったんです。4日間かけて、朝は子供、夜は大人で、泊り込みもして作品を創って、最後は保護者に見せる、だけなんですけどね。終わったらバーベキューパーティーをして。全部、自分たちでやって。しかも、それが次の新しいメンバーを呼び寄せたり。栗東で私自身が打楽器の方と公演をするのですが、群舞のシーンを創るので、「じゃあ出ようか」「じゃあ選抜やろうぜ」みたいな。もうなんかね、スポコン漫画みたいなノリなんですよ(笑)
 
 来年2月に、さきほどから話に出ている知的障がいのある方たちの中からも、初めてオーディションをやることになって、年代も障がいも関係なく30人~40人ぐらいを選ばせてもらって、それは本当に、コミュニティダンスとかコンテンポラリーダンスとか、そういうのはもう抜きにして、「とにかくお客をびっくりさせよう!」っていって、これまでの活動の集大成として一つ作品をやることになりました。今は、みんな何となくそっちに向かってワーって進んでいる感じです。
 
-その発展の仕方が面白いね(笑)
北村:漫画みたいですよね(笑)

 

To be continue……

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